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上羽 智之
JNC TN9420 2000-005, 28 Pages, 2000/03
実用化戦略調査研究の第一フェーズの計画では、基本的な目標を高速炉、再処理施設及び燃料製造施設からなるFBRサイクルシステムの複数の実用化概念の摘出と技術開発計画等の実用化シナリオの提示としている。この研究開発はシステム技術開発(FBR、再処理及び燃料製造)、実用化要素技術開発、システム技術統合・評価の3つの階層で進めることとしており、FBRのシステム技術開発では、ナトリウム、重金属、ガス(炭酸ガス、ヘリウムガス)、水等の冷却材、中小型モジュール炉、並びにMOX、金属及び窒化物の燃料からなる技術選択肢に係るプラント概念を検討することとしている。本報告書はこの検討の一環として、ヘリウムガス冷却炉心の適応材料とそのHe環境下での健全性(腐食特性および機械強度、照射特性)に関する調査を行ったものである。
上平 明弘; 鵜飼 重治; 水田 俊治
JNC TN9400 2000-040, 41 Pages, 2000/03
高速増殖炉(以下FBRという。)の実用化戦略調査研究の一環である炭酸ガス冷却炉の燃料設計評価に資するために、フェライト鋼の炭酸ガス腐食に関連する文献を調査し、炭酸ガス腐食に影響を及ぼす因子を整理した。特にブレイクアウェイが発生するまでの腐食挙動について、温度依存性・Si量依存性・Cr量依存性について定量的な評価を行い、次のような腐食評価式を策定した。(式省略)
山本 敏久*; 北田 孝典*; 田川 明広; 丸山 学*; 竹田 敏一*
JNC TJ9400 2000-006, 272 Pages, 2000/02
多様な高速炉炉心の核特性に対する解析予測精度の向上を目的として、以下の3つの項目について検討を行った。第1部高速炉心の中性子スペクトルの誤差評価と計算精度向上策の検討高速実験炉「常陽」で用いられているスペクトルアンフォールディング法の精度を向上するため、初期推定スペクトル誤差を詳細に分析し、各々の誤差の大きさを定量的に評価するとともに、各誤差を積み上げることによって、より合理的な初期推定スペクトル誤差を評価することを試みた。検討の結果、初期推定スペクトル誤差に起因する誤差は相対的に小さく、断面積誤差に起因する誤差がほとんどであることがわかった。また、核分裂スペクトルの影響によって、数MeV以上の高速中性子束に無視できない量の誤差を生じることがわかった。第2部ガス冷却高速炉の解析手法に関する検討ガス冷却高速炉では、通常のNa冷却炉に比べて、冷却材チャンネルが体積割合に占める比率が大きく、顕著な中性子ストリーミング効果が現れることが予想される。一方、Na冷却炉用に提唱されている既存の手法では、冷却材チャンネルと平行な方向の拡散係数が無限大となり、そのまま適用することができない。本研究では、Kohlerが提唱した軸方向バックリングを考慮した方向依存拡散係数の概念を拡張し、ガス冷却炉でも正確に中性子ストリーミング効果が評価できる手法の検討を行った。第3部水冷却高速炉の解析手法に関する検討低減速の水冷却炉に対して、解析手法の違いによりどの程度計算結果に影響が現れるかについて検討を行った。軽水炉においては、燃料ペレット中の重核種の自己遮蔽効果が強い空間依存性を持つことが知られており、燃料ペレットを複数の領域に分割して評価する手法が用いられている。水冷却高速炉においても、冷却材として水を使用する以上、同様の問題が現れる可能性がある。検討の結果、燃料ペレット中の重核種の自己遮蔽効果の空間依存性は小さく、燃料領域を1領域として扱っても、臨界性、転換比ともに解析精度には問題が出ないことが確認された。
下村 寛昭; 川路 さとし; 藤崎 勝夫; 飯塚 隆行
JAERI-M 89-064, 90 Pages, 1989/06
大型構造機器実証試験装置(HENDEL)に使用中のガス軸受機械としては最大級のヘリウムガス循環機、計5台のうち、代表的機種について実施した軸振動に関する試験結果を中心として報告する。また、過去のティルティングパッド及びガス軸受に関するいくつかの研究結果と本試験結果を比較検討した。試験結果からガス軸受機械の軸系における不安定振動又は振れ回りを防止するためには高度なバランシング、軸受パッドの追従性及び軸受部の気膜厚さの調整が極めて重要であることが判った。しかしながら、これらの要求を実際に、特に大型ガス軸受機械において満足するには多くの困難が存在するため、微弱なハーフスピードホワールが発生し始めた状態を高感度に検出し、自動的にこれに対処することが装置を含むプラントの安全を保つ上に重要であるとの結論に達した。
小川 益郎
Int.J.Heat Mass Transfer, 30(5), p.1017 - 1026, 1987/05
被引用回数:5 パーセンタイル:52.65(Thermodynamics)高温ガス冷却炉での空気侵入事象の研究に関連して、高温の黒鉛多孔質円柱に直交して流れる混合ガス流が化学反応と多孔質内拡散を伴う場合の物質伝達に関して実験的研究を行なった。レイノルズ数を533~2490の範囲で、円柱温度を848~1120Cの範囲で変え、約5%の酸素を含んだ窒素ガス流中に黒鉛円柱を置いた。物質伝達に及ぼす化学反応と多孔質内拡散の影響を調べるために、平均及び局所物質伝達率と腐食速度を求めた。これらの結果、本実験条件下では、化学反応は物質伝達にほとんど影響を与えることはなく、また、物質伝達に及ぼす多孔質内拡散の効果は、既存の腐食速度の関係式と物質伝達の関係式とから評価できる。
小川 益郎
日本機械学会論文集,B, 53(488), p.1351 - 1359, 1987/00
高温ガス冷却炉での空気侵入事象の研究に関連して、高温の多孔質円柱に直交して流れる混合ガス流が化学反応と多孔質内拡散を伴う場合の物質伝達に関して実験的研究を行った。レイノルズ数を533~2490の範囲で、円柱温度を848~1120Cの範囲で変え、5%の酸素を含んだ窒素ガス流中に黒鉛円柱を置いた。物質伝達に及ぼす化学反応と多孔質内拡散の影響を調べるために、平均及び局所物質伝達率と腐食速度を求めた。これらの結果、高温ガス冷却炉の空気侵入時に予想される条件下では、化学反応は物質伝達にほとんど影響せず、また、物質伝達に及ぼす多孔質内拡散の効果は、既存の腐食速度の関係式と物質伝達の関係式から評価できることが明らかになった。
二川 正敏; 菊地 賢司
JAERI-M 85-054, 16 Pages, 1985/04
静的水平地震荷重を模擬したVHTR炉心構造試験体の傾斜試験によって,炉心拘束幾構の拘束力の変化重を調べた。更に、傾斜時の炉床部構造物の挙動を簡易ブロック群の滑りモデルによって解析した。また、黒鉛同士及び黒鉛と鋼間の見掛けの摩擦係数を摩擦係数測定試験結果と比較、検討した。その結果、次のような結論を得た。(1)炉心拘束機構の拘束力の変化量は、傾斜後ゼロに戻らない。(2)見掛けの摩擦係数は、大気中で黒鉛同士が0.10、黒鉛と鋼間が0.19となった。
松尾 秀人; 斎藤 保; 佐々木 泰一
High Temperatures-High Pressures, 15, p.707 - 714, 1983/00
炭素質材料は高温ガス冷却炉(VHTR)の炉床部断熱材料の候補材料の1つであり、その圧縮応力下の寸法安定性は研究しなければならない重要な性質のうちの1つである。炭素質材料の圧縮応力下での寸法の経時変化を900C、1000C、1100Cおよび1200Cで0.3MPaの圧縮応力下で約600h、さらに1100Cおよび1200Cで予め熱処理した試料について1000Cで圧縮応力下で測定した。これらの寸法の経時変化に対して圧縮応力付加効果が認められ、これらの結果を高密度、Lc(002)、dおよび電気比抵抗の変化との関連を考察した。
今井 久; 野村 真三; 黒沢 武; 藤井 貴美夫; 佐々木 泰一
JAERI-M 9153, 31 Pages, 1980/10
高温ガス冷却型原子炉用黒鉛材料の腐食反応挙動に関する基礎データの修得を目的として、ヘリウム中水蒸気による高温腐食反応試験を実施した。10種類以上の照射前黒鉛材料の腐食反応試験を実施するとともに、その中から数種類を選び、JMTRで中性子照射を行い、反応速度の温度依存性、反応次数に及ぼす照射の影響を調べた。1000Cで中性子照射を受けた黒鉛材料の1000Cの反応速度は照射量とともに直線的に増加したが、3.210n/cmの照射量でも2倍以下の増加率であった。反応の活性化エネルギーは中性子照射によってほとんど大部分の黒鉛材料で減少したが、一部の黒鉛材料では増加した。実験はまだバリウムを添加した黒鉛材料についても実施した。バリウムはきわめて強い触媒作用を示すが、中性子損傷効果との間に重複効果は示さなかった。
佐野川 好母; 大内 光男; 菱田 誠
日本原子力学会誌, 22(2), p.121 - 128, 1980/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Nuclear Science & Technology)第1報では、水素透過を防止させる一つの方法として、二枚の金属隔壁の間に液体金属の層を設け、その領域にパラジウム膜を取り付けて水素透過を減少させる「液体金属介在法」を提案し、実験を行った結果、水素透過を減少させる可能性のあることが示された。しかも、その際の水素透過減少率は、原理的にパラジウム膜の面積を大きくすれば、希望する値まで水素透過を減少させ得る見通しも得られた。さらに、この方法を実際の熱交換器に応用する際に必要とされる技術開発課題についても述べた。
菱田 誠; 佐野川 好母; 大内 光男; 滝塚 貴和; 根小屋 真一; 小川 益郎; 江森 恒一
日本原子力学会誌, 22(4), p.251 - 263, 1980/00
被引用回数:3 パーセンタイル:41.98(Nuclear Science & Technology)第2報では、元来金属母材の耐腐食,耐酸化法として開発されたカロライズ処理を、原研の水素ガス二次系熱交換器の伝熱管に施したところ、水素透過量を約1/50に減少させることに成功した。この実験はヘリウムガス温度1000C,水素ガス温度900C,圧力40気圧の条件で、積算約7週間行われたが、劣化の傾向は全く見られなかった。実験終了後、熱交換器を解体してカロライズ浸透層の組織検査を行ったが、試験前と全く変りなく、割れやはがれなども観察されなかった。この方法は、水素透過減少法として、実用的にもかなり有用な方法と思われる。
菱田 誠; 根小屋 真一; 江森 恒一; 小川 益郎; 大内 光男; 岡本 芳三; 佐野川 好母; 中野 忠典*; 萩原 威一郎*; 時枝 潔*; et al.
日本原子力学会誌, 22(3), p.181 - 188, 1980/00
被引用回数:1 パーセンタイル:22.79(Nuclear Science & Technology)水素ガス二次冷却系は、既設ヘリウムガスループの二次系として設置された最高温度900C,最高圧力42kg/cm・Gの水素ガスを循環させる試験装置であり、製鉄に用いる還元ガスとヘリウムガスとの熱交換系を水素ガスとヘリウムガスとの熱交換系で模擬した装置である。本装置は昭和52年1月末に完成し、今日まで約1000時間の高温運転に成功した。また、ヘリウム/水素・熱交換器の水素透過試験をはじめとする各種の試験を行い、多くの貴重なデータを得た。とくに、水素透過の試験では、熱交換器の伝熱管にカロライズ処理を施すことによって、水素透過量が1/30~1/50に減少すること、積算約1000時間の高温運転、温度変化に対しても安定であることを実証した。本報では、水素ガス二次冷却系の概要について報告する。
原子炉工学部
JAERI-M 7844, 218 Pages, 1978/10
本報告書は、原子炉工学部において昭和52年度に行われた研究活動をとりまとめたものである。原子炉工学部における研究は、多目的高温ガス炉の開発、核融合炉のための炉工学的研究、および動燃事業団による液体金属高速増殖炉の開発に密接に関連している。核データと群定数、炉理論とコード開発、積分実験と解析、遮蔽、熱伝達と流動、炉計装と核計装、動特性解析と制御法の開発、核融合炉技術、および炉物理研究委員会活動の各分野にわたって、多くの成果が述べられている。
根本 政明*; 岡本 芳三
JAERI-M 7214, 54 Pages, 1977/08
多目的高温ガス実験炉(VHTR,50MWt)の開発にあたり高精度の試験や環境への安全性等の要求事項を満す有力な方法の1つにガス軸受循環機の適用がある。そこで今迄に高温ガス冷却炉用のブロアとして実用ないしは計画されたガス軸受循環機につき調査を行ない次のような事実を明らかにした。(1)すでにテストループや原子炉補機には多数の小型ガス軸受循環機が用いられている。(2)現在では熱出力20MWt程度の実験炉用サーキュレータへジャッキアッブガス機構付きガス軸受の応用開発がなされている。(3)実証炉級の2000~3000HPの出力を必要とする大型ガス軸受循環機は基礎研究の段階にある。
上田 隆三; 田川 博章; 佐藤 章一; 安野 武彦; 大野 新一; 前田 充
JAERI-M 5642, 69 Pages, 1974/03
クリーン・エネルギー源としての水素について、特に核エネルギーを利用した水からの水素の製造法について、最近の研究を中心に総説に纏めた。内容はつぎの通りである:1まえがき-水素エネルギーの意義と必要性、水素利用研究会の活動について述べた。2水の分解に関する熱力学-一段反応、多段反応による水の熱分解法と熱化学的方法として知られたプロセスの熱力学的可能性の検討。3熱化学的方法-MARK、GE、ANL、EOSの各プロセスの概要と特に重要と思われるいくつかのプロセスについて詳述。4熱化学的方法の熱源と効率-熱源としての高温ガス冷却炉とMARK1との結び付き、熱収支、効率の検討。5放射線化学的方法-放射線分解の特徴と水、炭酸ガスの分解、放射線源について述べた。6光化学的方法-光化学反応の概要と水の光分解について述べた。
岡本 芳三; 佐野川 好母; 下村 寛昭; 河村 洋; 秋野 詔夫; 菱田 誠
JAERI-M 5152, 17 Pages, 1973/03
高温ガス冷却炉における伝熱流動の一貫として、高温におけるヘリウム連続循環の可能な大形および小形ヘリウムガスループが、1970年以降に、当研究室で建設および試験が行われており、その概要が説明されている。これらの装置は高温ヘリウム循環装置として高温伝熱流動はもとより、各種の高温下の特性試験装置に反映され、その成果を、ガス冷却炉の設計に提示されるものと期待される。
越後 亮二*; 長谷川 修; 武智 英典*; 岡本 芳三
Int.Chem.Eng., 13(3), p.546 - 552, 1973/03
ガス冷却炉の熱除去を目的として、原子炉の高温化がはかられるが、出力密度のひくいことは、依然欠点として残っている。この欠点を改善し、かつまた将来の直接製鉄の開発の一貫として、固気2相流の改善効果について、検討を加えた。その結果、層流域における改善にかんする効果の甚だしいこと、および、粒子間における壁面の伝熱の改善が、ローディング比、レイノルス数および温度比率により、どのように変化するかを明らかにした。
武谷 清昭
日本金属学会会報, 12(3), p.181 - 187, 1973/03
高温ガス炉用被覆粒子燃料の解説と共に最近の進歩についても述べてある。内容としては、1.まえがきの次に2.燃料の製造法について述べているが、ここでは被覆粒子燃料の諸性質と粒子、コンパクト、集合体の製造法を説明した。3.高温ガス炉の燃料として、現在稼働中と設計中の燃料体についての説明を加えてある。4.照射挙動ではFPガス放出、カーネル移動を中心にこの種燃料をLWRのそれと比較に於て、特徴を述べてある。
福原 昌志*; 井崎 隆*; 戸根 弘人; 近藤 欣也*
FAPIG, (69), p.2 - 7, 1973/00
多目的高温ガス冷却炉の開発の一環としてOGL-1が日本原子力研究所材料試験炉(JMTR)に設置され高温、高圧、高中性子束下での燃料および材料の照射、構造材料の強度試験、核分裂放射性物質の挙動など、炉外高温ヘリウムガス・ループなどでは得られない核熱特性を含む種々の試験を行なうことになっている。本試験は高温ガス炉に要求されるガス純度と同等以上のものを得るためのヘリウムガス精製に関する設計データを求めるために行なうもので、OGL-1の設計、製作に反映される。現在、すでに予備試験を含む実験を開始し貴重な経験を得ているが、本稿では試験の必要性、試験計画の概要、装置の紹介をする。
岡本 芳三; 秋野 詔夫
日本原子力学会誌, 13(8), p.456 - 461, 1972/00
原子炉の多目的利用拡大を目標として,高温熱利用原子炉の開発が注目され,そのアプローチの1つの方向として,多目的高温ガス冷却炉の開発が具体化しつつある。一般に,多目的高温原子炉とは,高温のもとで熱を定常的に取り出し,製鉄の還元ガスおよび化学反応ガスの加熱熱源に利用しようとするものである。また,発電のみにとどまらず高温化とともに一層広範囲の利用目的に拡大できる可能性がある。本報では,1,000およびそれ以上の温度条件における高温ガス冷却炉の炉心および熱交換器などの伝熱流動の概要と,それぞれの研究開発上の問題点について列記したものである。